こんばんは、来週の月曜日のテストに向けて開発中の997GT3の車高調のセットアップを進めています。
今回はダンパーの減衰力の仕様変更を行い、特に縮み側と伸び側の減衰力の比率を大きく変更するとともに、特に低速域でのダンパースピードをコントロールする為0.3/sec以下の領域の減衰力を出せるように変更を行っています
当社ではアイバッハ様の御協力のもといつもサスペンションキットの開発を行っていますが、組み合わせるスプリングレートは使用タイヤ、使用コース、重量、G、ブレーキシステム、そして減衰力等の複雑な要素から考える必要がある為、非常に複雑であります
単純に固ければ良いというのではなく、あくまでもしなやかに且つ、動的アライメントを考えた上で最適なスタビリティの確保が必要になってきます
スプリングレートも縮みと伸び側のバランスだけでなく、ショックストロークとのマッチング等も重要なポイントです
特にポルシェのリアセクションは可動部分が多いので、サスアーム部分のフリクションが非常に大きくなってしまいます。
車高を落とした場合はサスアームのフリクションがサスペンションのしなやかな動きを阻害してしまう為、必ず1G状態でのアームの締め付け直しが必要ですよ
ただ997の場合はアライメントリフトを使っても、タイヤ装着状態ではアッパーアームの締め付けが出来ない為、ショックの1G位置を計測し写真の様にアームを1G状態にセットしてあらかじめ締め付けを行います
非常に手間のかかる作業の多いポルシェですが、設計したサスペンションの最大限のパフォーマンスを発揮する為にこれらの作業は必ず行います
まだまだセットアップの途中ですが、週明けの月曜日に良い結果が出せるように細かい作業を積み重ねていきます
